1995/09
  オーストラリア周遊ツアー

 
〜シドニー編〜

9/11 シドニー、結婚式
 いよいよ結婚式の朝である。だが普通の結婚式の朝と違うのは、私、母親、長姉夫婦、次姉夫婦、そして義弟となる奥さんの弟でゴルフをプレーに向かった事であろう。
 ハーフで、プレイ料金は約1000円、貸クラブが約1000円。とんでもない安さである。7時半からコースに出たが殆ど人はおらず、日本のようにルール一辺倒のコースと違って下手な私達でも誰にも気遣い無く楽しめた。

 ゴルフのスコアは散々だったが、まれにナイスショットが出たのは飛び上がるほどに嬉しかった。

 そして10時半にはプレイも終了し、急いでホテルへと戻る。シャワーを浴びている間に奥さんのヘアセットをする為、美容師が部屋へとやって来る。この美容師は、私達と同郷の静岡県焼津市の出身で、年齢も奥さんと一緒だった。奥さんの準備は、美容師も手伝ってくれるが、私の方は、全て自分で行うことになる。

 奥さんの準備が終わると、それと入れ替わりのように今日の式の進行のアシスト兼通訳の女性が打ち合わせにやってくる。仕事の終わった美容師は部屋を後にする。私はその後を追いかけて気持ち程度のチップを渡す。するとその美容師は飛び上がって喜んでくれた。小気味いいものである。
 そして式に関しての打ち合わせが始まる。基本的には式の最中に全て指示をしてくれるのでそれほど心配する事は無い筈。ところが、式の時に永遠の誓いをしなければならないのだが、その台詞が問題なのだ。 既にその内容については事前にワタベで受け取っていたのだが、ワタベの女性が事前に丸暗記すると式の時に緊張して忘れるから眺める程度にしておいた方がいいと言ってくれたのを鵜呑みにしていたのだ。
 ところが、今日のアシストの女性は、台詞を覚えたかとの聞かれる。正直に覚えていない事を話すと、式の時に神父さんが台詞を言ってくれるのでその真似をすればいいと言ってくれる。だが、私の不安は大きくなるばかりだ。そして時刻は13時をまわり、いよいよホテルを出発する事に。ホテルフロントを走るようにして通り抜け、正面に停車している白いジャガーに乗って教会に向かう。
 車で走っている途中に対向車がクラクションを鳴らすと言う光景を目にしたが、これはおめでとうという事を意味しているらしい。

 15分ほどで式場となるバルメインと場所にあるセントアンドリュース教会に到着する。この教会は、英国統治時代からの由緒ある教会で歴史も深い。見た目も石造りで落ち着いた感じで、周りの静かな住宅街にもマッチしている。
 タクシーに分乗して、先に現地入りしていた9人、デビッドのママもこの結婚式に参列。

 すぐに式が開始するのかと思っていたら大間違い。この式にはプロのカメラマンも同行しており、まずはいろんな場所での記念撮影から始まる。この頃、体は機械のような動きとなり、緊張は絶頂に達しようとしていたのである。

 家族が私の緊張顔を大笑いしているのを横目にして、いよいよ教会の中へと入っていく。緊張した顔は写真ではそれ程良くは判らないが、同時に撮影していたビデオを見るととてもよく判り、今見ても恥ずかしい(笑)。

 建物に入ると、今日の式を執り行う神父さんが私達を迎えてくれる。両家の親と本人達は、神父さんに簡単な質問を受ける。まあ趣味とか仕事とかと言った事で、通訳もアシストの女性がやってくれるので全く問題ない。
 で、他の参列者達は聖堂内に先に移動し、私達の様子をガラス越しにうかがっている。

 簡単な質疑が終了するといよいよ式が始まる。私は先に聖堂内に移動し、神父さんと共に新婦の入場を迎えるわけである。
 そしてパイプオルガンの演奏が始まり、新婦と付き添いの新婦の父親が聖堂内に入場する。付き添いの父親の緊張ぶりは、遠くにいる私から見てもよく判る。と言うのは歩きながら新婦のウェディングドレスは踏むし、新婦との腕の組み方は逆だし。これではどっちが付き添われているか判らない(笑)。

 そして式が始まる。順調に進行していったかのように見えたが、いよいよ新郎新婦の台詞の場面となる。1回目のその場面は何とかのり越えるが、2度目の台詞の時にとうとうやっってしまう。神父さんの言っている言葉が聞き取れない、台詞は覚えてない、最悪な状況。
 しまいには”えっ?”って聞き返す始末だ。

 先程までは、厳粛なムードの中で行われていた式。新婦の父親などはもうすぐで泣きそうなところまでいったのに、場内は一気に笑いの渦となる。新婦まで笑っている(笑)。
 それとは対照的に新婦の方は、神父さんの言葉を確実に復唱していた。それは機械的な位で、嫌味なくらいだ(笑)。

 更に指輪交換になって、新婦の指に指輪が入らない。参列者の笑い声はますます大きくなり、しまいには神父さんが指輪を新婦の指に押し込む始末。アシストの女性まで笑ってる。これを見て、私自身も完全に吹っ切れた感じで緊張感も全く無くなってしまった(笑)。

 式は、神父さんがお祈りをし、私達夫婦へお祝いの言葉を掛けてくれたところで終了する。 式は滞り有りで、無事終了したのである(笑)。
 式が終わると、今度はビデオ1台、カメラ5台による写真撮影大会が始まる。至る所でフラッシュが光り、何処のレンズを見たらいいのか判らない状況だった。

 外に出ると、参列していた家族が1人ずつ寄って来ては、”何を言ってたの?”とか”英語勉強しなきゃねぇ。”などといった罵声を浴びせられる。しかし、皆の顔も笑顔であふれかえっているのを見て安心する。

 そして奇遇だったのは、式をしてくれた神父さんとデビットのママは、ある共通の友人が居ると言う事だった。たまたま2人で話をしていて判った事らしいが、その後は私達をそっちのけにして、話で盛り上がっていた。世間って狭いんだなっていう言葉を外国にまで来て言うとは思わなかった。

 私達はアシストの女性、そしてドライバーと一足先に教会を後にする。そして記念写真の撮影の為にロックス方面へと向かう。
 晴天にも恵まれ、素晴らしい写真を残す事が出来た。ところがこの写真を撮影している最中に1台の大型バスがやって来る。停車したバスから、カメラを持った観光客が大勢下車してくる。しかも日本人だ!

 もうその後は、言わなくても判る通り、観光客の記念撮影のターゲットになってしまったのである。
 記念写真の撮影が終わると私達は早々と車へと引き揚げる。そして車は、この場を去りホテルへと向かって走り出す。

 部屋に戻り、姉たちと数枚の写真撮影を済ませると速攻で衣装から普段着に着替える。そして部屋を出て付近の散策へと出掛ける。これがいつもの旅行での行動パターンである。
 ホテルを出てすぐに私の父親とすれ違う。父親は、私達よりも早い時間にホテルに戻って来ていたので、付近を散策していたらしい。
 父の薦めもあり、まずはクイーンズビクトリアビルディング(QVB)へ向かう。

 このQVBは、世界一美しいデパートとも言われる建物である。外装の素晴らしさもさることながら、建物内はまるでヨーロッパの教会を連想させる造りだ。このQVBは感動に値する。
 残念ながら、ここに来た時刻が遅かった事もあり、テナントの大多数はシャッターを降ろしていた。シドニーのショップは営業時間が短いので、方からショッピングをしようとしてもシャッターが降りていることが多い。ここにはあらためて訪れる事を決めて、デパートが並ぶ通りへと移動する。こちらの店舗は、全てが営業していたが歩いて回っているうちにホテルに戻る時刻となる。
 ホテルに戻るとすぐに両家の親、長姉夫婦義弟らと合流して、結婚式のレセプションを行う為に、次姉が予約してくれたノース側のモスマン方面のフレッシュキャッチへとタクシーで向かう。ここのフレッシュキャッチは、シドニー周辺の複雑な地形の中にある小さな入江沿いにある。

 このレストランの前にはヨットハーバーがあり、ロウソクの明かりで呑むワインは格別だ。一見高級店の様に見えるが、実はとってもフレンドリーなお店で、スタッフも笑顔を絶やさないのがここの特徴だ。

 ここはシーフード料理専門店である。オーストラリア自体、シーフードが名物でもある。それだけのことはあり、出されるカキ、貝類、カニ、エビなどどれをとっても新鮮で美味しい。
 奥さんの両親も初日の夜は遠慮気味だったが、今日は晴れ晴れとした気分で食事をする事が出来たのではないだろうか。

 父親とデビットのママも話で盛り上がる。だが話は通じているのだろうか、疑問である。だって私の父だから(笑)。
 ちなみにこの時、私はママから”あなたの英語はダメね。もっと勉強なさい。”と言われた。
 父親とデビットのママも話で盛り上がる。だが話は通じているのだろうか、疑問である。

 最後は、次姉の手作りケーキ。2人でケーキカットをする。ところが、周りのテープルに座っている一般の客からは、”一体誰の誕生日なんだい?”との声が聞かれた(笑)。
 そしてレセプションは終了し、次姉夫婦とデビッドのママは、家路に。その他のメンバーはホテルへ。


 
 
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