10/12 名古屋発、プーケット着
<民間駐車場>
 出発当日、10月12日の朝を迎える。目覚まし時計が鳴ったのは、午前5時。この季節になると、まだ辺りは薄暗く、ますます目覚めを悪くする。
 宿泊先の出発を午前6時と決めていたので、自分以外も否応無しに起きる羽目となる。子供たちについては、前日夜まで、寝かしたまま予め予約していた民間駐車場まで連れて行くか、しっかり起こすかを決めかねていた。比較的、寝起きの良い長男は早朝にもかかわらず、しっかりと目を覚ました。しかし、長女の方は寝起きは悪い。結局、長女の方も半分寝ぼけた状態ながら着替えをさせて、出発の準備を整える。

 予定していた出発時間6時を少し遅れて、宿泊先だった母の実家を出発する。途中コンビニに寄って子供たちの朝食を調達し、東名阪自動車道経由で名古屋空港へと向かう。
 東名阪自動車道を利用した場合、名古屋空港に最も近いのは、名古屋高速11号小牧線に乗り継ぐコースになるのだが、名古屋高速で走行するのは、楠ジャンクションから豊山南出口までのたった1区間。その区間でもしっかり料金が発生するのは、アホらしいと言う以外のなにものでもない。東名阪自動車道の山田東インターチェンジから一般道となる国道41号線を利用して、名古屋空港へと向かう。宿泊地から今回旅行中に自家用車を預けることになった光駐車場までの所要時間は30分もかからなかった。

 今回利用した光駐車場だが、本当に国際線ターミナルの目の前の場所。空港を張り巡らしている金網が無ければ、スーツケースを持って歩いても1分ほどで辿り着ける距離にある。
 自分たちは名古屋での民間駐車場を利用するのは初めてだが、過去に利用した成田空港近辺の駐車場に比べても、ローカルチックで余り細かいことを言わない感じ。自分たちが駐車場に到着した時に、他の利用者が殆ど居なかったこともあって、荷物を送迎バンに積載するとすぐに国際線ターミナルへと送ってくれた。

成田近辺駐車場
1,000円/日〜 日数が増えると割引有り 駐車場同士の競争が激しい
名古屋近辺駐車場
1,000円/日 原則的に1,000円/日 駐車場数が限られており、何処も金額的には同じ

光駐車場のオフシャルページ(日本語)


<名古屋空港>
 名古屋空港ターミナルに到着したのは、7時30分。既に中部国際空港建設工事が決定しているにもかかわらず、新設された国際線ターミナルは成田空港第2ターミナルをこじんまりさせた感じで、まだ新しい施設だ。
 大人3人、子供1人、幼児1人の荷物は結構多く、スーツケースが3個、手荷物でも大きなバックが2つあった。空港内で身軽にする為にも、最初にしておきたいのはチェックインである。前年のグアム旅行と同じように、今回も自分たちが持っているのは、一応正規割引航空券。旅行会社の格安航空券の場合ならば、チェックインカウンター外にある旅行会社のカウンターでまず航空券を受け取らなければならない。そのカウンターがオープンするのを大荷物を持って待つのが結構苦痛。
 今回もその苦痛を味わうことも無く、時間を気にせずに日本航空のチェックインカウンターに行くことが出来る。この日の名古屋空港は混雑しており、チェックインカウンターでも結構待たされる事になる。
 カウンターでは、5人分一緒に搭乗券の発行してくれる。この際、自分たちが最も気にしていたのはシートの場所である。当初からスクリーン前のバシネットの設置出来るシート(既に長男はバシネットに載せること出来無いほど成長しているが)を希望していたが、事前にこのシートの確保は難しいとの回答をエイチアイエスから得ていた。ところがカウンターで奥さんが、
『スクリーン前の席を希望しているんですが。』と言うと、カウンターの女性は、
『スクリーン前の席となっています。』とあっさり答えた。少々拍子抜けだった自分たちだが、希望しているシートを確保出来たので、その後に特に細かい事を聞くことも無く、足枷ともなっていたスーツケースを預けて、搭乗券を受け取った。ちなみに名古屋空港でも、ベビーカーは搭乗ゲートまで使用することが出来るので、スーツケースと一緒に預けなくて済んだ。

 その足で、すぐにセキュリティーチェック、出国審査へと向かう。相変わらず、日本の出国審査官は無表情で能面顔で仕事をしている。この出国審査の時にちょっとだけ笑えたのは、自分がベビーカーに乗せた長男と共に審査を受けることになったのだが、審査官はデスク上に2つのパスポートが置かれたのに、審査する相手の顔は自分しか見えない。ちょっと驚きながら席を立ち上がり、ベビーカーに乗っている長男を見つけると安心した様子で、再び能面顔でパスポートにスタンプを押した。

 名古屋空港は成田空港に比べるとこじんまりとした空港。出国審査のカウンターの裏手はすぐに各ゲートの並ぶサテライトとなっている。搭乗客でごったかえしているサテライトでは、時間待ちをしている人たちが座りきれないほどで、唯一のディーティーフリーであるデュフリーも、これから海外へ向かう日本人で混雑していた。
 自分たちもこのサテライトには8時過ぎには居たのだが、今回利用するタイ国際航空との共同運行便であるJL645便(タイ航空機材:TG645便)の登場開始まで約2時間ある。この2時間という時間、大人にとっては本を読んだり、ディーティーフリーを見たりして時間を過ごすことは苦痛では無いのだが、子供にとっては本当に長い2時間である。サテライトを走り回る子供を追いかける大人の方が疲れてしまう。親が相手にしてくれないので、しまいにはディーティーフリーの店頭でブランデーの試飲を勧める女性店員たちに遊んで貰っていた子供たち。

名古屋空港のオフシャルページ(日本語)


<名古屋空港→バンコク国際空港>
 2時間弱をサテライトで過ごしたが、9時50分過ぎになると搭乗ゲートにTG645便の乗客たちが自然と並び始める。自分たちもその様子を目にして、急いでゲートへと向かう。ベビーカーを押している自分たちを見つけて地上係員が駆け寄り、ベビーカーを預ける為の手続きとボーディングパスの確認を求められた。
 それと時を同じくしてビジネスクラスからの搭乗が開始され、自分たちはベビーカーを預けた後、エコノミークラスとしては最優先で搭乗手続きをして貰い、機内へと向かうことになった。自分たちの後には、席順毎にとアナウンスがされ搭乗手続きが進められる筈なのだが、実際には一斉にエコノミーの乗客が押し寄せ、搭乗手続きをしているのが現実である。

 タイ国際航空のエアバス330は見るからに、パーソナルテレビの装備は無いもののその機材と内装は新しく、シートもパープルに統一されていて清潔感があって、離陸する前に早くも自分たちの中でタイ国際航空の好感度は上昇した。
 早々と機内に辿りついた自分たちだが、その席番号を見てビックリする。確か、チェックインの際には、
『スクリーン前の席となっています。』と聞かされた。だがバシネットの設置出来るスクリーンの目の前の席では無く、そこから4列ほど後方の席だった。頭上を見上げると確かに格納式のモニタがあり、言い方によってはスクリーン前の席と言えるかも知れないが・・・。この日のフライトは満席状態と予め知らされていたので、他の席への移動することはまず難しいだろうと諦める。
 まだ一部の搭乗客が乗り込んで来る中、早々とキャビンアテンダント(以下CA)が、子供たちにオモチャを持ってきてくれる。子供たちは喜んでオモチャを選んでいた。意外にも、自分たちから見える範囲には子連れ客は少なかった。
 ほぼ全員の乗客がシートに座った頃、パーサーらしき女性が日本人キャビンアテンダントを連れて、自分たちの元にやって来た。そのパーサーは、日本人CAに何やら言っているが、英語なのかタイ語なのか、自分は聞き取ることが出来無かった。そして日本人CAが自分たちに
『4つ程、後方の席に1つだけ空きがあります。お子さまがいらっしゃいますので、お一人席の移動をしていただければ、赤ちゃん(席無しの長男のこと)もお座りいただけますがどういたしましょう?』と話しかけてきた。シートの位置を確認すると2−4−2の配列の4シートの中央席とのことだったので、丁重にお断りをした。まだ通路席ならば、たった1人でも移動は考えたが、流石に窮屈な中央席では何をするにも辛いから。

 無事、名古屋空港を離陸したTG645便が水平飛行の体勢に入ると、CAはおしぼりのサービス、ドリンクと忙しそうにサービスを始める。フライト時間が6時間弱と短い路線だからだろう。
 日本時間で11時30分過ぎになると、長男向けに予めリクエストしておいた乳児向けチャイルドミール、同じくリクエストしておいた幼児用ミールが続けて届けられる。それら料理は見るからに美味しそうで、なかなか豪華。ケータリングが名古屋で行われていることもあって、子供たちも何ら抵抗無く食べている。
 子供たちの食事の世話をして最中、今度は大人の食事が回ってくる。丁度、昼どきで食事をするにはグッドタイミング。自分たちの座っているエコノミーシートでは、鶏肉料理、魚料理の何れかのチョイスとなる。ただ驚いたのは、鶏肉料理の方は、焼きソバらしき物の上にチキンがののせられているのだが、なんと日本そばも一緒にトレイにのっている。麺類の組み合わせになってしまっているので、このあたりはケータリング側でも再考して欲しいなと思った。

TG645便の機内昼食の写真はこちら

 食事が終わる頃には、機内では映画の上映が始まった。タイトルは”Alex and Emma”だったが、あまり興味無かったのと長男が騒ぎ出しそうだったので、この映画を見ることはなかった。離陸直後はウトウトと眠りについていた子供たちだったが、食事をしたことでしっかり目が覚めてしまったらしく、大騒ぎすると周りの乗客に迷惑がかかるので自分たち夫婦はヒヤヒヤしていた。
 映画の途中から機内は暗くなり、睡眠をとる乗客も増え始める。”Alex and Emma”の上映が終わると、GPSによる航路の現在地表示画面に戻るのかと思っていたが、”Pirates of the Caribbean”が続けて上映されることのなった。タイ国際航空の機内誌、SAWASDEEでは”Pirates of the Caribbean”の上映される路線は、タイと日本経由での北米えお結ぶ路線か、タイと欧州を結ぶ路線と記載されていた。自分はこの映画は見ていなかったので、子供のこともほったらかしでスクリーンに釘付けになった。
 その”Pirates of the Caribbean”の上映途中に、デザートが各席へと配られる。その頃になると、周りの席でも睡眠をとっている人たちをちらほら見かけた。ちなみに配られたお菓子は、和菓子だった。意外なデザートに驚いたが、自分のテーブルに置かれたのは秋という季節を彩った柿の形をしていた。

TG645便でのデザートの写真はこちら

 折角楽しんでいたジョニー・ディップ主演の”Pirates of the Caribbean”だったがエンディングまで見ることは出来無かった。これからが佳境と言うところになったら、突然上映が終了してしまったのである。それは、バンコク国際空港への到着が近付いてきたことを意味している。CAが機内を明るくして行き、イヤホンの回収を始めた。
 それから間もなくして、TG645便は着陸態勢へと入り、何らトラブルも無く予定時間よりも1時間も早い現地時間の14時過ぎにはバンコク国際空港へと到着した。


<バンコク国際空港>
 機が到着したのは到着サテライトでは無く、駐機場だった。完全に機体の動きが止まったことを確認すると、乗客たちは一斉に頭上のバゲッジスペースから手荷物を取り出し、早々と出口に向かって並び始める。自分たちも比較的早い段階で到着に向けての準備が整っていたので、この列に並んでいた。
 駐機場だったのでタラップの準備などもあるのだろうか、外へ出るまで結構な時間待つ羽目になった。どうせ乗り継ぎ便までの時間は十分にあるので、降機の混雑が落ち着くまでゆっくりシートに座っている方が良かったと後悔した程である。

 やっと機外に出てタラップを降りると、地上クルーからベビーカーを手渡される。名古屋でチェックインする際、バンコク国際空港の乗り継ぎの時にはベビーカーが必要か聞かれたので、自分たちは不要と言ってあった筈なのに。それでもここでベビーカーを受け取らない訳にも行かず、コンパクトになるB型ベビーカーを持って、サテライトまで乗客たちを運ぶバスへと乗り込む。しかし、この後の空港内ではベビーカーを使用出来たことが良かったと実感することになったのである。
 せっかちな自分が早々と機外に出ようとしたばかりに、タラップを降りた後に乗り込んだバスは、両手に大荷物を持った上に立ちんぼ状態でぎゅうぎゅう詰めにされた。ただ長女を連れた奥さん、長男を連れた母親はバスに同乗していた乗客たち(タイ人、欧米人)が席を譲ってくれて座ることが出来た。

 バスは駐機場からターミナルまで結構な距離を走る。2つのターミナルから構成されるドンムアンバンコク国際空港だが、サテライトにはかなり空きがあるように見えたのに、自分たちのTG645便は何故あんな不便な場所に駐機したのか不思議。
 不便に感じたのはそれだけでない。バスを降りると、プーケット、チェンマイなどへのトランジットをする乗客にはシールが配られ、目立つ所に貼るように指示される(これはバンコクで入国審査をせず、乗り継ぎ便では、国内線のみの利用者と同乗することになる為)。
 そしてターミナル内では乗り継ぎ便到着ロビーに向かうまでの間、エスカレータを上がったり、下がったりとベビーカーを持つ家族連れには不便この上ない。
 やっとの思いで国際線到着フロアに辿り着く。そこにはタイ航空の係員が居て、乗り継ぎ便のゲート案内をしていた。自分たちもプーケット行きのTG219便のゲートを確認するが、その係員もロビー内に設置されている出発便案内のモニタの範囲しか判らないらしく、当然17時過ぎに搭乗開始予定のTG219便の案内はまだされていない。結局、その係員は自分たちに
『3階の出発ロビーに移動して、出発便案内モニターでゲートを確認してください。』と言うだけだった。

 到着フロアを暫く進むと、3階にある出発フロアへ続くエスカレータを見つける。バンコク国際空港は、ターミナル自体は1直線となっているので判りやすいが、各案内板がそれ程大きく表示されていないので見落としがちなので、常に案内板をチェックすることをおすすめする。この上りエスカレータを上がると、国際線出発ロビーに到着。暫くの時間、ここで過ごすことになる。
 プーケット行きの乗客は、ここバンコク国際空港では、入国審査は行わない。トランジット客として、そのまま、国際線ターミナルのゲートで搭乗手続きをし、国内便に乗り換えることになる。当然、預けたスーツケースなどはスルーでプーケットまで行くことになるので、ここで受け取ったりという煩わしさは無い。
 出発便のゲートがなかなか確定しないので自分たちは行き場に困る。出発ゲートを確認する為のモニタには、コードシェアの関係で、運行されるのは1便なのにモニタ上には数社の航空会社の便名が並んでいる。またそんな便に限って、出発がディレイしていて自分たちの搭乗するTG219便の出発ゲートはなかなか表示されてこない。 2つのターミナルからなるバンコク国際空港は建物自体は既に古さは否めないが、デューティーフリーは非常に充実している。至る所に免税の酒類、タバコ、ブランド品が並んでいて、大人にとっては暇を持て余すことはないだろう。しかし、ちゃんとした食事が出来る場所はターミナル中央のレストラン(4階への階段を行くのだが、大変判りにくい)とターミナル2の一番右端に位置するKFC位しかない。またターミナルでは一定の場所にまとまって椅子が用意されているが、絶対数が足らないように思える。喫煙所についてもターミナル毎に1箇所ほどあるが、非常に狭く混雑している。

 最初のデューティーフリーを見て回っている時は、長男はベビーカー、長女はターミナル内で使用出来る荷物用カートに乗っかって大人しくしていた。ひと通りターミナル内を見て回り、ベンチをみつけて休んでいると、子供たちはいつの間にかターミナル内を走り回っていた。また先程まで自分たちが使っていたカートを集める仕事をしている空港職員の若いお兄ちゃんになついて、その側を離れようとしない。そのお兄ちゃんの方も、仕事の傍ら子供たちに構っていてくれたので、自分たちとしてはほんのちょっとの時間だったが子供から開放されることが出来たのである。
 それから暫くして、出発便案内モニターにTG219便搭乗ゲートの表示がされた。そのゲート番号が1桁台だったのが凄く気になりながらも案内表示板に従って、ゲート番号を探すと矢印は階下を指している。エスカレータを下って行くと1階まで辿り着く。そしてその入口は空港職員が立っていて、搭乗券の確認をした上で中へと通している。その先にはX線による手荷物検査、金属探知器による検査が待っていた。やっぱり今度のフライトも駐機場までバスで移動と言うことになりそうだ。
 その先には、バスによる搭乗機までの移動を待つ乗客がおり、3階の出発ロビーには比べものにならない程の席があり、座っている人たちも疎らだった。デューティーフリーは無いものの、キヨスクとアルコールの飲めるカフェ、喫煙所などひと通り揃っている。


<バンコク国際空港→プーケット空港>
 現地時刻で17時を過ぎると、搭乗ゲート口に人が集まりだした。それを見て自分たちも、相変わらず遊び回っている子供たちを制止してその場所へと向かう。地上係員はベビーカーを持っている自分たちに気付くと、すぐに寄って来てパスポートと搭乗券を見せるように言ってくる。そして内容を確認すると、真っ先に自分たちの搭乗手続きを優先してくれる。その際にベビーカーは再度預けの荷物として渡すことになる。
 手続きを終えると、建物の外では搭乗機までの送迎をするバスが既に待機しており、バンコク空港到着時と違って、乗客の居ないバスで席を確保することが出来た。

 バスが到着したのは、タイ航空のスケジュール表と違ってボーイング747ジャンボ機。また早々と搭乗したつもりだったが、既に機内には乗客が座っていた。見る限り、その殆どが中国系の人たちで香港あたりからプーケットに向かうのかなと思った。
 このフライトでも自分たちの希望していたスクリーン前のバシネットの使用出来るシートの確保は出来ていなかった。B747の配列は左から3−5−3なのだが、スクリーン席のすぐ後ろの席を左から3席、通路を挟んで1席と確保されていた。フライト時間はさほど長くないので、そのままそのシートへと腰を落ち着かせることに。自分たちの前の席には日本からの親子4人のファミリー、後ろの席には欧州から来たと思われる親子3人連れ。子供が付近のシートに多いと言うことは、比較的気楽に過ごせる。

 定刻17時35分にバンコク国際空港と飛び立った日本航空とのコードシェアTG219便は、順調にプーケットへと向けてフライトを続ける。たった1時間半のフライトだったので、機内でのサービスはドリンクのみ。カートでのサービスでは無く、トレイにソフトドリンクを乗せて、客席を回っていた。とにかくCAは忙しそうだ。
 そんな短いフライトにも拘わらず長男が少々愚図り始めた。その時、自分たちの前に座っていた日本人ファミリーのお母さんがすかさず絵本を貸してくれた。離陸前にCAが玩具の配布もしてくれたし予め日本からも持参していったが、貸して貰った絵本が一番効果があった(ありがとうございました)。


<プーケット空港>
 19時前にプーケット空港へと到着。バンコク到着時のことを思い出し、ここではのんびりと機を降りると衣類にシールを貼った国際線搭乗客は、国内線搭乗客とは別の入国審査の方へと誘導される。
 プーケット行きの旅行者は、ここでの入国審査となる。ところがここプーケット入国審査についてはすこぶる評判が悪い。出国前にインターネットで色々な旅行記を見させて貰ったが、どこのページにも入国審査に関しては良いことが書いていない。
 事実、本当に酷い状態だった。審査官が処理する書類が煩雑なのか、とにかく手続きが遅い。それに審査官によっては、ファミリーでも1人ずつしか審査してくれないのである。最初に並んでいた列が余りに遅いので他の列へと移ろうとすると、その審査官は仕事を終えたと言わんばかりに『他の列に並べ。』と手で指図する。
 怒りも頂点に達したが、ここはグッと我慢をして、他の列に並び入国審査を受ける。自分たちの手続きをした入国審査官は、家族全員を一緒に審査してくれた。また自分が怒っていたのが表情に出ていたからだろうか、英語で
『あと1人分だから。』と自分たちに気を遣ってくれた。そして無事、入国審査を終えてタイへの入国をすることが出来たのだが、本当にプーケット入国審査は本当に酷過ぎた。

 入国審査を終えた頃には、TG219便搭乗客で自分たちはビリになっていた。既に寂しい状態で自分たちの預けたスーツケースだけがバゲッジルームでベルトコンベヤー上で回ってる状態だった。その荷物を引き取り、税関を抜けると到着ロビーへと辿り着く。そこには宿泊客や旅行会社の現地エージェントが到着客を待っており、今日から宿泊するクラブ・アンダマン・ビーチ・リゾート(Club Andaman Beach Resort)(以下クラブ・アンダマン)のプレートを持ったスタッフも居た。奥さんがそれをすぐに見つけて近付いて行くと名前の確認をされた後、到着ロビー外の車寄せまで案内をしてくれる。
 車寄せまで来るとスタッフは駐車場の方に向かって、必死に手を振る。駐車場に待機していたホテルのバンの運転手に向かっての合図である。
 すぐにトヨタ・ハイエースが車寄せまでやって来た。このフライトでやって来た宿泊客は自分たちだけのようで、すぐにホテルへ向けて出発する。この時、既に時刻は19時半を過ぎており、付近は闇につつまれていた。

 プーケット空港からパトンビーチクラブ・アンダマンまでは、地図を見ても30Km以上の距離はある。信号も無く、殆ど暗闇の中をバンは爆走を続ける。途中、商店や屋台なども見かけるが賑やかさは無い。また交通量は決して少なくないが、どの車も凄い勢いで走っている。
 パトンビーチに辿り着くまで、カーブの多い峠道を2回ほど越えることになる。上り坂ではスピードの出ないディーゼル車のハイエースバンでも結構な揺れはあり、車酔いしがちな長女が非常に心配だったが難なく、2度目の峠道のプラ・バラミ・ロード(Phra Barami Road)を下ると賑やかなパトンビーチへ。この道をパトンの裏通りとも言えるラット・ユーティット・ロード(Rat U Thit Road)への左折するとすぐにクラブ・アンダマンへと到着する。


<クラブ・アンダマン・ビーチ・リゾート>
 空港からホテルまでは約40分を要した。ホテル正面にハイエースバンが停車すると、すぐにホテルスタッフが駆けつけて、スーツケースなどを運び込んでくれる。広々としたエントランスの奥にあるエアコンの効いたチェックインフロアへと案内され、自分たちは少々疲れ気味だった自分たちは座り心地の良いソファーに腰掛けてホッとする。
 今まで非常に忙しなく移動をして来たこともあってか、ホテルスタッフのチェックイン手続きは非常にのんびりしているように見えた。おしぼりのサービス、ノンアルコールのウェルカムドリンクなどでチェックイン客を歓待してくれた。

 このエアコンの効いたチェックインフロアで色々な手続きをして、20分程が経過してやっと部屋へと案内されることになった。クラブ・アンダマンは広大な庭がウリで、パトンビーチで最も広大な面積を誇るホテルである。自分たちの予約していたロータスビレッジまで、どの位歩くのだろうとちょっと不安になっていた。意外にもロータスビレッジは、ロビーのある本館(アンダマンウイング)の目の前。ロビーにも、エントランスにも、レストランにも近い、非常に便利な場所に16棟のコテージが並んでいる。2棟ずつがコネクティングルームになっていて、自分たちの宿泊した058,059部屋もコネクティングルーム。
 部屋へ自分たちを案内してくれたのは、チェックインフロアで手続きをしてくれた女性スタッフ。部屋では各設備の使用方法、ダイヤル式の備え付け金庫の取扱いを説明してくれた。しかし、ダイヤル式の金庫は操作が実に煩わしい。説明している女性スタッフでさえその扱いを間違う程で、
『何かあれば、フロントに連絡をしてください。』と言い残していった。

クラブ・アンダマン・ビーチ・リゾートのオフシャルページ(日本語可)


<ロイヤル・パラダイス・ホテル>
 ホテルスタッフが部屋から出て行くと、速攻で短パン、Tシャツと言うラフな格好に着替え、遅い夕食に出掛ける為の準備を整える。ホテル到着時から寝てしまっていた長女だけは、仕方がないのでそのままの格好でベビーカーに乗せて出掛けることにしたのだが、肝心な食事をする場所が決まっていない。
『皆疲れているので出来るだけ近場で食事を済ませたい。』と奥さんは言う。疲れているのは自分も同じだが、
『地理感覚もイマイチ判らない状況で付近の店に飛び込むよりは、多少歩いても情報のある場所で食事をしたい。』と自分は主張。結果として、地球の歩き方や旅行記体験談でも情報が掲載されていたロイヤル・パラダイス・ホテル(The Royal Paradise Hotel)へと向かうことに決まった。
 地球の歩き方の地図を見る限りは、直線距離で500メートルほどで辿り着ける。ホテルエントランスから、パトン・ビーチ・ロード(Patong Beach Road)に出てすぐにラット・ユーティット・ロードと交差するので、その道を南下すれば目的のロイヤル・パラダイス。しかし、ただでさえ歩きにくい歩道をベビーカーを押して行くことは、それに輪をかけて大変。奥さんなどは疲れているせいか、たった500メートルの距離を
『遠い、遠い。いつになったら辿り着くの?』と文句の嵐。
 その上、ロイヤル・パラダイスへの入口付近に並んでいるバー街は、自分たちにとっては過酷以外の何物でも無かった。何度も地図を見ながら、ここで間違いないと進んで言ったホテルへと続く道だが、その両再度にはバーが並んでいて、何処の店のテーブルにも座っているのは明らかにゲイと判る人たちばかり。既に現地時間でも21時を過ぎていたので、皆子連れの自分たちに冷たい視線を送っている。正直言って、この時には自分も引き返そうと思った位だ。一体、何処にホテルがあるのか判らないような路地を進んで行くと、自分たちが歩いていてずっと目にしていた巨大なタワーが目的のロイヤル・パラダイスだったのである。

 無事、フロントロビーに辿り着くと、エレベータ前にレストランを案内するポスターが掲示されていた。ここロイヤル・パラダイスには、多くの旅行ガイド誌や旅行ガイドのページでも紹介されている中華料理のロイヤル・キッチン(Royal Kitchen)と、比較的最近オープンしたタイ料理のFUENG FAHがある。どちらも自分の入手した情報ではなかなか評判の良いレストランらしい。
 どちらにするか決めかねている自分たちを見つけたホテルスタッフの女性が声を掛けてきたので、
『中華とタイフードのどちらがおすすめなの?』と尋ねると、間髪置かず
『それは中華料理です。エレベータで一緒に行きましょう。』と自分たちを案内してくれる。そのエレベータの中で、スタッフの女性は、
『タイレストランは2階だけど、中華レストランは25階にあるからお勧めなんですよ。見晴らしは最高ですよ。』と教えてくれた。
 エレベータは最上階の手前の24階までにしか行くことが出来無い。エレベータで案内をしてくれた女性スタッフも
『中華レストランは、この上にあります。大変だけど、階段で25階まで行くしかないんです。』と、申し訳なさそうに話していた。

 長女が寝ている状態で自分はベビーカーを持ち上げて階段を上がり、25階のロイヤル・キッチンへと到着。自分たちを出迎えてくれたのは、朱色の中国の宮廷の衣装を来たレストランスタッフだった。余りに仰々しい衣装だったので、一瞬自分は吹き出しそうになったが。
 既に時刻は21時半。オーダーストップの22時半まで1時間余りしか無いレストランは、1組のタイ人カップル以外にはお客は居無かった。そんな閑散とした状況なので、ビーチ方面の望める最も見晴らしの良い席へと案内をして貰え、先程の女性スタッフの言った言葉に間違いの無い事を実感。
 このロイヤル・キッチンは、プーケットでも指折りの中華料理店と言われている。特に名物ともなっているのが珍品北京ダックで、B800(日本円で約2,400円)で食べるが出来るのは驚きである。当然、この時にも北京ダックを一番最初にオーダーし、海老ワンタンスープ、焼きそば、蟹のブラックビーンズ炒め、海老炒飯などをオーダーする。
 値段は非常にリーズナブルに設定されているが、雰囲気やスタイルは高級感あるレストラン。オーダーした料理の何れも満足ゆく内容。特に楽しみにしていた北京ダックは、料理としては皮の部分だけを食すのだが、残った身の部分もちゃんと調理してくれる。自分たちはガーリック炒めを頼んでみたが、当然の事ながらボリュームもある。
 ビールなどの飲み物も別途オーダーをして、この時の会計が約B2760。日本円に換算しても約8,000円と考えると、如何にこのレストランがリーズナブルか判る。また麺類やご飯類を始めとする一品料理類は、サイズがS,M,Lと用意されているので、人数に応じて注文サイズを変えれば少人数でもロイヤル・キッチンの料理を楽しむことが出来るだろう。

ロイヤル・キッチンでの夕食の写真はこちら

ロイヤル・パラダイス・ホテルのオフィシャルページ(英語)

 食事を終えた時には既に先客の姿も無く、レストランの中は自分たちとスタッフだけとなった。しかも先程まで朱色の派手な衣装を纏っていたスタッフも、早々と私服に着替えて自分たちよりも先にレストランから去っていったのである。
 オーダーストップの時間となる22時半に自分たちは会計を済ませ、ロイヤル・キッチンを後にする。1階のロビーまでエレベータで降りると、日曜日の夜とは思えない程の混雑ぶりに驚かされる。それを横目に、先程通ってきたバー街を避けて、別の道を通りラット・ユーティット・ロードへと出る。裸電球を明るく照らした衣類や装飾品を売る露店が通り沿いには並んでおり、ここでも欧米人を中心とした観光客で賑わっている。自分たちは疲れ絶頂と言った感じで、露店には立ち寄ることも無く、ひたすらクラブ・アンダマンを目指して歩く。
 ホテルに戻ったのが23時過ぎ(日本時間で深夜1時)。子供たちにとっては普段ならば完全にベッドで寝入っている時間だが、この日ばかりは部屋に戻ってから風呂に入ることになった。今日1日、2人の子供たちはよく頑張ってくれた。
 大人も子供も長時間の移動で疲れた1日はこうして過ぎて行く。



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