1998年8月


炎天下の草取り
  相変わらず、建築許可がおりないのでやきもきしている日が続いている。 そんなある日、現在住む実家に一本の電話が入った。その電話とは、 新規に購入した土地の草が伸び放題となっているという苦情電話であった。 苦情とは言いつつも、非常に物腰し柔らかい言い方だったらしい。 認可がおりていれば、地盤改良工事が発生するので草取りをしなくても、 土地の殆どは掘り返されるから雑草も無くなるのだが、 この地盤改良作業さえも行えない状態の今現在では、家族総出で草取りを行うしかない。 母親も前々から草取りをしなければならないと思っていたようであるが、 父の急遽の入院もあって機会を逸したと言っていた。
  結局、入院中の父親を除いた母、姉夫婦、私達夫婦の5人で草取りに出掛けることになった。 たまたまその日が仕事だった私は30分ほど遅れて現地に到着したが、 義兄もまだ赤ちゃんである次女を義兄の実家に預けに行っていた為、 私より更に30分ほど遅れて作業に入った。
  現地は予想通り雑草が大きく成長していた。種類によっては私の身長よりも高く、 幹の太さは直径で2cm程まで成長しているのである。これらを全部抜き取ることは、 男手2人ではとても無理である。炎天下の中での作業で、ぶっ倒れる程体力を消耗した。 作業の後半になると握力が弱ってきてしまい、抜き取る事も出来なくなったので、 鎌を使って切り取る事にするが、それでも作業は重労働であった。
  やっとの思いで作業が終了すると除草剤の散布を行い、 8月中の雑草成長が無い事を願うのである。


汚水流し
  8月になって、やっと大成住宅と打ち合わせをもつ事が出来た。 それもこちらから事前に要望や確認事項等をFAXにて入れた上で実現したのである。
  日曜日の夕方6時から、大成住宅にて打ち合わせは行われ、 事前にこちらから質問していた事項を1つずつ回答してくれる。 その質問事項の中に、汚水流しはどの様な物を選択してくれたのかを教えて欲しいとの内容も書かれていた。 そして、その質問の回答の際に渡された汚水流しのカタログには、何故か値段が記入されている。 自分はおかしいと思いながらも、
『大成住宅さんで選択してくれたのは、どれなんですか?』と尋ねる。 すると、そのカタログの中から選択して欲しいと言われ、水回り工事の費用も別紙に明記されている。 汚水流しは、契約直前の三井ホームの大攻勢時に、勾配天井などと一緒にサービスすると言われた際に、 大成住宅側も同様の条件をのむと言った内容の1つである。だが大成住宅は、何の事?と言った感じである。 もちろん大成住宅も手持ちの書類を確認してくれたが、それらが明記された内容は残っていないようだ。 更に基本契約での特記事項欄には、汚水流しは記入されていない。 基本契約書の内容は、私達も確認した上で捺印して契約を交わしているので、 これ以上は何にも言えないのが実状である。帰宅後に手持ちの資料を見直したが、 こちら側でメモを取ったノートには記載がされているものの、とても証明となりうる内容とは言えない。 また三井ホーム側で提示して来た内容は書類として提示されたが、それは商談終了後に三井ホームに返却している。 つまりどうしようも無いと言う事である。

  この日、この他の打ち合わせとしては、電気関係の再度の詰めやサッシ関係についてであった。 後はクロスについても打ち合わせを行うつもりであったが、 あまりにも選択枠が多すぎて2時間程度の打ち合わせでは決めることは不可能である。 これについては、コーディネーターによる基本プランを出して貰ってから、再度検討することに決まった。


ホームエレベータ
  今回の住宅建設に当たって、単体としては最も豪華な電気設備として挙げられるのがホームエレベータである。 当初は導入につて悩んだが、両親の高齢化及び私達を含む家族の体力の低下も考慮して導入を決定した。 但しエレベータに関しては住宅会社手配とせず、父親の兄弟のコネを使用して安価に導入することとした。 確かに一般の導入価格に比べて、割安感はある価格での提供が受けることが可能である。
  エレベータは日立製で、これを扱う販売会社が私達への機器を提供する事になった。 そしてこの販売会社の営業が、エレベータ関連の説明をしに、実家へとやって来た。
  金額は予め提示されていたので特に問題は無いのだが、毎年発生する保守契約については少々ややこしい話しとなる。 エレベータ自体は2種類あり、違いは装備である。当初カタログスペックを見ていた段階では、 停電時のバッテリーによる自動着床装置、換気扇などが装備されている上位機種が良いのではないかと思っていた。 価格は10万円ほどの差であったし、予期しない停電や地震での電力が供給されない場合でも、 エレベータ内に閉じこめられる様な事が無いのが大きなメリットである。 しかしバッテリーの寿命は、自動車バッテリーと同様である為、数年毎の交換は出費が大きいと感じた。 保守契約を締結すれば、業務エレベータも多く扱う日立のエレベータメンテナンスの技術員が、 1時間以内に現場に到着して救出してくれると言う事なので、保守契約締結の場合は自動着床装置は不要と感じた。 勿論、上位機種にのみ装備される他の装備についても、どちらかと言えば不要な物が多い。
  保守契約についてであるが、年間費用は約7万円。この保守契約の内容としては、 契約者側で用意する電話回線を利用して、1日1度の管理センターからのエレベータ機器の遠隔チェック、 インターホンによるセンターへのダイレクトコール、点検時の消耗品費用などが含まれる。 これ以外に法令規定である定期点検が年1度あり、こちらは2万円ほどの費用が別途発生する。
  この販売会社の営業の話しだと、導入ユーザーのほぼ100%が保守契約は締結していると言う。 確かに保守契約は必要と感じるが、主要部品の交換については有償扱いであり、 一般的なホームエレベータの耐久年数は15年以下だろうと言う話しである。 更に電話回線を1本必要とする為、この費用はユーザー側の負担となる。
  ホームエレベータだけでも色々な費用が発生するのだが、 更に不安なのは大成住宅側とエレベータ会社側の工事分担である。 大成住宅側で施工して貰わなければならない事項に抜けがあると更に費用が発生する。 販売会社の方も事前に大成住宅と話し合いはしているが、この事についてはかなり危惧しているようで、 大成住宅側に確認して貰う為の議事資料を置いていった。 今回のエレベータは私達が直接の購入主となるので、 最初の段階での住宅会社への橋渡しはやって欲しいとの事であった。 お金の絡む部分でもあるし、当然の事ではある。
  近日中に実際のエレベータへの試乗をさせてくれるという事で、この日の話し合いは終わった。


前倒しの着工前打ち合わせ
  通常、着工前打ち合わせというのは、本契約の直前に行われるのが通例らしい。 ところが今回は私達夫婦に限っては、これを前倒しで行って貰うことにした。 休日ほぼ1日かけて行われる打ち合わせであるが、実際には今まで営業担当と打ち合わせしてきた内容を、 再度確認してゆくのが主題とも言える。
  実家の家族に比べ、内装などの決定が進んでる私達夫婦については、 一部の保留事項を除いては確定とした。主な保留事項は、
・キッチン窓を現状のルーバーから大型の2枚式の横滑り出し窓にする事
・電話配線工事
・1階納戸の扉形状
・汚水流しの追加
などである。特に電話配線工事に関しては、エレベータの緊急用電話回線を必要とする為、 どの様な形態を取るべきか苦慮する部分である。汚水流しについては、 基本契約時のサービス項目の見落としと言うこともあり、 7万円の費用をどうすべきか判断のつかない状態である。
  またこの打ち合わせの中では、費用圧縮をする為の打ち合わせについても行われた。 大成住宅営業担当が真剣に考えてくれたお陰で、
・クロゼット収納家具を、大工に依る棚の作成
・階段手摺をエレベータの無い、3階から屋上部分のみの設置
・一部扉の変更
・費用変更無しで、床素材の1ランクアップ化
などにより、費用を20万円近くも圧縮することが可能となった。また工事監督が同席しているので、 回答も即答して貰えるので助かった。

  この打ち合わせの後は、壁のクロスのコーディネーターの女性との打ち合わせとなる。 各箇所のクロスを仮決定してゆくわけであるが、前回クロスの見本を見せて貰ったが、 全くどうして良いか判らなかったが、コーディネーターの適切なアドバイスにより、 比較的容易に決定してゆく。ただ主寝室については、比較的なシンプルな白系の色よりも、 ブルーや土壁色などのインパクトのある色にしたいという希望があった。 ここについては夫婦意見が分かれたが自分の意見を通し、色を決定するに至った。 但し、あくまで仮決定なのでまだこれから考え方が変わる可能性は十分にありうる。


貸し渋り
  年金融資、住宅金融公庫共に認可がおりたとの連絡が入った。後は、 私達夫婦のみが借り受けする銀行ローンの結果待ちという状態である。 ところが8月下旬になって、その融資が受けられないと言う連絡が大成住宅から入る。 私達2人共、現在負債を抱えているわけでもなく、支払い能力も担保価値も十分にある筈なのに、 融資を受けることが出来ない。その理由として、
・今回の住宅が、姉夫婦と私達夫婦がそれぞれ所有するのだが、資産価値としては1軒として判断されること
・土地までを合わせると資産価値が1億を越える為、万一の際に処分しにくい物件であること
・年金、公庫が抵当順位の上位を占め、銀行側が3位となり不利なこと
によって、貸し出しをしてくれないのだそうである。 今年に入って、特にこの傾向が目立つようになり、他物件でも貸し出しを拒まれることがあったらしい。 大成住宅としても、まさか今回貸し渋りにあうとは想定しておらず、 ただただ困ったという感じである。
  私達もそれを責めるつもりはなく、如何にショートカットしてしまっている資金を融通するかを問題としていた。 既に家族全員が、新しく購入した土地の為にそれぞれの自己資金を出資している。 これについては、住宅建設後に現在の実家の住居を売却することで返還されることになるのだが、 この景気状況から見ても、都合のいいタイミングで売却できるかは不透明である。 つまり家族からの資金の融通は見込めないと考えた方がいい訳である。 金融機関からの融資も見込めず、住宅建設着工は私達の不足分資金問題だけとなっているだけに辛い。